太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「わあぁ!海だあぁぁぁ!砂浜だあぁぁぁ!ひよりん、海だよぉぉぉ!」

「うふっ、マイマイ可愛いですぅ」

砂浜に出ると一番年長さんの麻依さんが一番はしゃいでいる。

…その姿でそのはしゃぎようは反則でしょ。そういうのは俺の前だけにしてほしい。

あ、そうだ。

「ねぇ麻依さん、俺ナンパされるのとか嫌だし、ここでだけでも彼女になってくんないかな?」

ナンパ云々ってのはもちろん口実で、フリだけでも彼女になってほしくて。

「彼女役ね!私でよければいーよ」
おっ、笑顔でOKキタコレ!
でも〝役〞はいらないんだよね、麻依さん…

「ありがとう。もちろん俺も麻依さんがナンパされたら彼氏として盾になるから」
自然と笑みがこぼれる。

「その必要はないと思うよー」
アハハ、って笑うけど、わかってないなぁ。絶対必要になるから。

今日は…今だけでも…本音の気持ちを出して思いっきり溺愛する彼氏になるから、覚悟してね、麻依さん。
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