本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
白い歯を見せ目尻に皺を寄せてクシャッと笑う彼は、いつものクールさが消え心を開放しているような印象を受けた。

こんなにはっきりと笑う修平を見たのは初めてで、真琴は驚くと同時に嬉しい興奮に包まれた。

「修平さんもボーリング、楽しめたんですか?」

「いや、まったく」

笑顔のまま否定され、真琴は言葉に詰まる。

組んだ膝の上に頬杖をついた修平が、嬉しそうな目で真琴をじっと見つめている。

思わず頬を染めたら、彼がしみじみとした声で気持ちを打ち明けてくれた。

「自分でプレイしてもつまらないが、楽しそうにボーリングをする真琴を見るのは楽しい。真琴が初ストライクに喜んだら、胸の奥が熱くなった。これが感動というものか。初めての感覚だ」

「変な感動の仕方ですね......」

目を瞬かせてしまったが、結果として外出の目的を達成できたようだ。

それに気づくと、ストライクを出した時以上の喜びが押し寄せ、真琴は笑顔で彼の手を取った。

「お休みが重なったら、また来ましょう。今度は真剣勝負です」

「勝負になるか?」

「ハンデを八十くらいもらえれば、なんとか......」

自信のなさから尻切れになると修平がクスリとする。

結婚指輪をはめた手で「また来よう」と握り返してくれて、真琴の胸が静かに高鳴った。

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