双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
「えっ」
着信画面を見て、慌てて応答する。
「はい、古関です」
『つきばな保育園の西宮(にしみや)です。お母さん、今お電話大丈夫ですか?』
いつもお世話になっている保育園からの電話の理由を頭の中で考える。
大体イレギュラーな連絡をもらうときには、体調不良が多い。
「はい。あの、穂貴(ほだか)か詩(し)穂(ほ)になにかありましたか?」
『そうなんです。実は穂貴ちゃん、ほんのちょっとお熱が......。ぐったりしているわけではないんですけど。お迎え、早めに来られそうですか?』
「わかりました。早めに行くようにします。すみませんが、よろしくお願いします」
『お気をつけて。お迎えお待ちしています』
私は通話を終えるや否や会社に電話をする。上司に今日の業務報告と事情を説明し、そのまま帰らせてもらうことになった。
それから私は急いで化粧室を出て、小走りで駅へ向かった。
約一時間後に到着したのは、自宅から近い駅付近の保育園。
私はインターホンを鳴らして玄関を開けてもらい、中に入った。すると、穂貴を抱っこした先生が出迎えてくれた。
「穂貴ちゃんのお母さん、おかえりなさい」
「お待たせしてすみません。ありがとうございました」
「ほら。穂貴ちゃん、お母さんだよ~。じゃあ私、詩穂ちゃんの様子見てきますね」
穂貴が私に手を伸ばして抱っこをせがむ。私が穂貴を抱っこすると、西宮先生は会釈して一度席を外した。
穂貴は私の長男で今一歳八カ月になるところ。ちなみに詩穂というのも私の子で、ふたりは双生児だ。
私はわけあってシングルマザーになり、出産前からずっと実家の協力を得て慎ましく暮らしている。
家族は両親と、一歳年下の実弟、海斗(かいと)。両親はまだ五十代で、ふたりとも仕事をしている。海斗は一度実家を出て就職したのだが、たまたま転勤先が実家近くだったのもあり、昨年からひとつ屋根の下で暮らしている。
それぞれ毎日忙しくはあるものの、みんなが連携して穂貴と詩穂の面倒を見るのを手伝ってくれて、とても助けられていた。
息子の穂貴は、世間一般で時々耳にする『男の子は小さいうちは体調を崩しやすい』という例が当てはまる体質のようで、しょっちゅう発熱しては園から連絡が来る。
着信画面を見て、慌てて応答する。
「はい、古関です」
『つきばな保育園の西宮(にしみや)です。お母さん、今お電話大丈夫ですか?』
いつもお世話になっている保育園からの電話の理由を頭の中で考える。
大体イレギュラーな連絡をもらうときには、体調不良が多い。
「はい。あの、穂貴(ほだか)か詩(し)穂(ほ)になにかありましたか?」
『そうなんです。実は穂貴ちゃん、ほんのちょっとお熱が......。ぐったりしているわけではないんですけど。お迎え、早めに来られそうですか?』
「わかりました。早めに行くようにします。すみませんが、よろしくお願いします」
『お気をつけて。お迎えお待ちしています』
私は通話を終えるや否や会社に電話をする。上司に今日の業務報告と事情を説明し、そのまま帰らせてもらうことになった。
それから私は急いで化粧室を出て、小走りで駅へ向かった。
約一時間後に到着したのは、自宅から近い駅付近の保育園。
私はインターホンを鳴らして玄関を開けてもらい、中に入った。すると、穂貴を抱っこした先生が出迎えてくれた。
「穂貴ちゃんのお母さん、おかえりなさい」
「お待たせしてすみません。ありがとうございました」
「ほら。穂貴ちゃん、お母さんだよ~。じゃあ私、詩穂ちゃんの様子見てきますね」
穂貴が私に手を伸ばして抱っこをせがむ。私が穂貴を抱っこすると、西宮先生は会釈して一度席を外した。
穂貴は私の長男で今一歳八カ月になるところ。ちなみに詩穂というのも私の子で、ふたりは双生児だ。
私はわけあってシングルマザーになり、出産前からずっと実家の協力を得て慎ましく暮らしている。
家族は両親と、一歳年下の実弟、海斗(かいと)。両親はまだ五十代で、ふたりとも仕事をしている。海斗は一度実家を出て就職したのだが、たまたま転勤先が実家近くだったのもあり、昨年からひとつ屋根の下で暮らしている。
それぞれ毎日忙しくはあるものの、みんなが連携して穂貴と詩穂の面倒を見るのを手伝ってくれて、とても助けられていた。
息子の穂貴は、世間一般で時々耳にする『男の子は小さいうちは体調を崩しやすい』という例が当てはまる体質のようで、しょっちゅう発熱しては園から連絡が来る。