監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時

「残りの魔法使いたちの自己紹介は、戦いがひと段落した後にフォルトゥナで行いましょう」

アイビーはそう言った後、ロイドたちと戦っている残りの魔法使いたちに目を向ける。銃を持った少年のような見た目をした女性が走り、引き金を引いていた。

「……この人たちを、傷つけさせはしない……！」

女性がそう言い、躊躇うことなく銃弾を浴びせていくとロイドは舌打ちをして消えていく。すると、真っ暗だった空が一瞬にしてオレンジに戻っていた。

「すごい、空が……」

ルカがようやく落ち着きを取り戻し、大きく息を吐く。まるで何事もなかったかのような光景に、蘭たちは顔を見合わせていた。

「みんな、戦ってくれてありがとう」

青い髪の男性が戦っていたローブを着ていた男女たちに声をかけ、そして蘭たちの方を振り返る。蘭は一歩踏み出し、口を開く。

「助けていただき、ありがとうございます。お聞きしたいことがたくさんあるのですが……」