人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜
 いつからか御曹司だと言われ始め、更には恵まれた容姿から、下心を持った女子が集まり出した。

 中学生から女子は強かなのだと気づき、高校生になると恋愛に興味がなかった女子までが、俺の家柄を意識しすり寄ってくる。

 それでも、学校自体が一流の家庭の子が集まるところだ。俺が利用されるのではなく、俺が利用してやるという若気の至りの考えで、サバサバしていて粘着質ではないと思える女子と付き合ったこともある。

 だが、最初は控えめだった子が、わがままになり、更には俺と付き合っていることを自慢し始めるのだ。

 嫌なところばかりが目につき別れ話をするも、なかなか応じてもらえず、もう誰とも付き合わないと思うほど、苦い思い出になった。

 そこで大学は地元を離れ、御曹司だと知られていない地方へ進学することにしたのだ。幸い勉強はできたので、日本でも上位の国立の大学に合格し、目立たず四年間を過ごした。そして経済学をしっかり学んだ。
< 16 / 85 >

この作品をシェア

pagetop