人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜
 夕の遠慮はまだまだ続く。

 聖七に連れられ車まで来たが、車に詳しくない夕でも知る高級外車が止まっていた。ピカピカに磨き上げられた黒いボディは傷一つない。

「あの、やっぱり自分で帰ります」

「どうした?何が気にくわない?」

「気にくわないのじゃなく、こんな汚れた格好で乗ったら車が」

「は!?汚れる?」

「はい〜」

「……。プハッ」

「……」

 なんで笑われたのかわからない夕と爆笑の聖七。

「泥まみれでもないのに、汚れるわけないだろう?早く乗って」

「汗をかいてます」夕の訴え虚しく、車に押し込まれた。

「家はどこだ?」

「専務はどの辺りですか?」

「はあ?会社の近くだが?」

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