先生。~ 放課後の教室 ~
家は学校から歩いて約5分のところ。


怖くないと言えば嘘になるけど、


今の私はそんな事どうでもよかった。


津田先生のさっきの言葉...。


その事で頭の中がいっぱいだった。


それにあんな子供みたいな先生、初めて見た。


今まで挨拶を交わす程度にしか接していなかったからと


言われれば、それまでなのだろうけれど。



" 女の子にこんな重いもの、持たせられないから "



津田先生らしいと言えばそうかもしれないし、


らしくないと言えばそれも有り得る。


ただ単純にカッコイイとおもった。


(結構、津田先生って優しいんだな。)


その時。


胸がドクン、となった。


明らかに今までとは違う。


ギューっと締めつけられるような、苦しい感じ。


だけど、どこか温かくて愛おしくて。


色で例えるなら、淡いピンク色。





私は、津田先生に恋をした。


夕日に照らされたあの日、あの階段で。
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