*触れられた頬* ―冬―
「Yes! Perfect!!(うん! 完璧!!)」

「あ……凄いっ、ニーナさん……ハラショー! スパスィーバ!!(素敵! ありがとうございます!!)」

 昨日照れてしまうほど最小限だった布地の胸元には、真っ白で愛らしいファーが、一周巻かれるように縫いつけられていた。

 ところどころ毛足が長く、それがくるりと弧を描いて、ふんわりとしたシルエットが可愛らしさを惹き出している。

 ──あたしが恥ずかしがっていたのを心配して、アレンジしてくれたんだ……!

 これなら気にしないで思い切りやれる。

 モモは衣装を受け取り確信を得た。

 早速着替えて全身を映す鏡の前で満面の笑みを見せた。

 その姿はあたかも「白鳥の湖」でオデットを演じる可憐なバレリーナそのものだった。

「Thank you very much indeed!(本当にありがとうございます!)ニーナさん!!」

「Hmm……wait a moment, Momo.(うーん……ちょっと待ってて、モモ)」

 後ろから(のぞ)いたニーナは、それでも一つ気になるところを見つけて、何かを取りに駆けていった。



 ☆ ☆ ☆


< 162 / 238 >

この作品をシェア

pagetop