気高きホテル王は最上愛でママとベビーを絡めとる【極上四天王シリーズ】
親しみを込めて頷く。小首を傾げた彼の優雅な微笑みに、鼓動がひとつ跳ねた。
「ここへは旅行ですか?」
「はい、そうなんです。無事に社会人二年目を迎えられた記念で。海外は初めてではないのですが、ひとり旅でちょっと緊張しています」
「社会人二年目だと二十四歳?」
そう尋ねた史哉が、即座に謝罪に転じる。
「女性に年齢を聞くものではないですよね。失礼しました」
「いえ、大丈夫です。誕生日が八月なのでまだ二十三歳ですが、今年二十四歳になります」
全然気にしないと、美織は顔の前で手を振って答えた。
美織が最初に予想した通り、史哉は三十歳だという。バンクーバーで仕事をしているそうだ。
出会ったばかりのため立ち入った質問は不躾だろうと、どんな仕事か尋ねるのは避けたが……。
(きっと大企業の商社マンとか弁護士とか、エリートだよね)
醸し出す優雅な雰囲気と余裕のある振る舞いが、美織にそう思わせた。