倖せのかたち
クリスマスの奇跡
「恋バナって…どうしたの？急に」

「知り合って半年経つし、いろんなこと話してきたけど…。思えば、映子と恋バナだけはしたことなかったから、これまで、どんな恋をしてきたのか、聞いてみたくなったんだ」

朔太郎の意図がよくわからないけれど、

「どんな恋って…私、恋愛らしい恋愛なんてしたことないよ。朔太郎が言ってたのと同じで、男の子と二人で出掛けたり、ましてや部屋に来るなんてことも、初めてだもの。付き合ってる内に入らないような関係とか、片想いしかしたことないの」

「意外だな。遊んでるタイプとは思わなかったけど、こんな素敵な子が片想いで終わるなんて」

「そういう朔太郎こそ、どうなの？」

「俺なんて、片想い以下かな。憧れというか、好みのタイプとかはあっても、そんな程度だから」

これはちょっと、興味深い。

「へぇ…どんな人が好みなの？」

「えっ…！？そ、それは…たぶん、引くというか、呆れられるから、いいよ！」

「引かないって。どんな人？」
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