倖せのかたち
もっとわかりあいたくて
奇跡のようなクリスマスを朔太郎と過ごしたあと、彼は私を部屋まで送ってくれた。

ゆっくりと家路を辿りながら、ふと、

「ドラマとか映画だったら、あんな風に想いが通じたあとは、キスシーンとベッドシーンだったんだろうね」

そう言うと、朔太郎は吹き出した。

「確かに!ああいうの観る度に、ホント不思議だな、なんでそうなるかな?って、いつも思ってたよ」

マンションの前まで来ても、別れ惜しくて互いにグズグズしていたが、私が思い切りくしゃみしてしまったので、

「ホラ、風邪ひくから、部屋に戻らないと」

朔太郎が優しく促す。

「うん。じゃあ…またね」

「ああ。また連絡するから」
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