倖せのかたち
ストレートな言葉に胸がトクンと鳴る。

「私だってそうだよ。一時の感情だけじゃなくて、ずっと愛していたいって…」

愛なんて言葉を口にしてしまって、受話器の向こう側で、朔太郎はどんな顔をしているだろう?

「映子さえ、昨日の今日で嫌じゃなかったら…会える?」

「うん!嫌なわけないでしょ」

「よかった。じゃあ、何処に行こうか」

「こんなに寒いんだし、私の部屋に来ない?」

ちょっと勇気のいる提案だった。

「え…いいの?」

「いいから誘ったの」

互いに少し笑うと、

「じゃあ、お邪魔させてもらおうかな」

「うん!待ってるね」
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