倖せのかたち
一度きりのキス
朔太郎が、これから来る…!

自分から誘っておいて、なんだか緊張してしまった。

幸い、部屋は散らかっていないし、洗濯物も仕舞ってある。

見られて不都合なものは…特になさそう。

まだ、部屋着兼寝間着であることに気付き、慌てて着替えて、薄くリップを塗ったり、ヘアコロンをつけてみたりと、バタバタしていたら、インターホンが鳴る。

早い!

割と近いのだから、無理もないが。

「いま開けるね!」

オートロックを解除し、高鳴る胸をおさえながら、朔太郎を待つ。

そして、部屋のチャイムが鳴るや否や、ドアを開けた。

「いらっしゃい」
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