倖せのかたち
「誰と誰がくっつこうが自由だけど、映子は俺の彼女だからダメだよ!」

冗談めかして、友達を牽制していた朔太郎。

ふと、彼は私たちの関係について友達に話したりしたのか、気になって尋ねてみたが、

「旅先で知り合ったことぐらいしか話してないよ。確かに、根掘り葉掘り聞こうとする奴も居たけど、そこは俺一人の話じゃないから、って」

「よかった。私もね、自分より後で初めて彼氏のできた子には、あれこれ質問されるけど…。親しい仲でもそういう話はしたくないから、ごめん…って言ってるもの」

ガールズトークというと、当時大流行していた【SEX AND THE CITY】のように、あけすけに自分たちの性事情を話すのがカッコいいかのように思っている子も多い気がした。

しかし、恐らく私は、朔太郎との関係が徹底したプラトニックでなかったとしても、友達にそういうことは話したくなかっただろう。

そもそも、友達と話すことが恋愛や性のことばかりでは、何だか情けない気もする。
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