愛され相馬くんの話
純情少年と小悪魔
相馬さんと付き合って早、3ヶ月……


そろそろ、キスしたい。




今まで手をつなぐのがやっとだったボク。


夏樹にその事を打ち明けると大いに爆笑された。


やっぱ奴に相談すべきではなかった。 


「龍太郎くーん。純情なのもいいけど、あんまり度がすぎると飽きられちゃうよ」


今でも脳内に再生される一言
夏樹のくせに案外痛いところついてくる。 


まぁ、確かに言われてみれば
最近相馬さんの返事とか素っ気ない感じがしなくもない。 


さすがに危機感を覚えたボクは
今夜彼とのキスを誓って家に帰宅した。 


「あ、おかえり、龍太郎」


いつもだったら、玄関まで来てくれたのに今日は来てくれない……
やっぱキスの影響なのか? 


「ただいま」


取り敢えず相馬さんの真横に座って
キスのタイミングを見張った。


暫くいつも通り会話していたが、
急に会話がなくなって、お互い無言になる。 


今だ、今しかない……! 



「相馬さん!!!!」

「は、はい!!」


いきなりの大声でビックリしていたが
今はそこまで気にしていられない……。


彼の肩に手を置き、顔を近付けた。


「悪い、トイレ行ってくるわ」


ボクたちの距離、5センチ…………普通この雰囲気で言う? 


「お……、おう……」


いそいそといなくなる彼をみて
思わず溜め息をついてしまった。
< 17 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop