愛され相馬くんの話
前々から少し天然が入っているとは思っていたが……
まさか、キスの雰囲気を打ち壊してトイレに行くとは……。




暫く一人で唸っていると、後ろから声がした。 



「龍太郎っ」



呼ばれて後ろを振り向くと目の前には相馬さんの顔。 


「焦らしてごめん。ねぇ、キスしてよ」


真っ赤になった相馬さんが小さく呟く。 


そっと彼の顔を手で包み、触れるだけのキスをした。


「頑張ったな」


それだけ言うと、キッチンに入って料理を作り始めた。 


「いつから、気付いてたんだ?キスしたいって」

「気付いてたっていうか、俺自体がキスしたかったから少し接し方をかえたんだ。そうしたら、やっぱキスしてくれた……!」


心なしか彼の頬は赤い気がする。 


堪らなくなって、彼に近づき髪に口付けた。 


「相馬さん………あんた結構意地悪だな」

「そんなことねぇさ」








「次のHの誘いは上手くやれよ」

「………!?…………はい」
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