カレンダーガール
「俊樹さんは何でお見合いをしたんですか?」
紗花がトイレに立ったすきに、気になっていることを聞いてみた。

こんなにかっこよくてお金持ちならモテないはずはないだろうに。
わざわざお見合いって、何か事情でもあるんだろうかと勘ぐってしまう。

「僕もまさかこうなるとは思ってもみなかったんだ。ただ、大地があんまり勧めるから会ってみたんだよ。そうしたら意外なくらいかわいくて。この子なら一緒にいてもいいかなってね」
確かに紗花は美人だけど・・・
「気が、強いですよ」
「僕から見たら、かわいいよ」
ええー。
かわいい?

「僕も大地と同じでね、親や社会に反発してグレていた時期があるんだ。だからいろんな人間を見てきた。それに、今の仕事も人を相手にする仕事だから、嫌な人間も多いし汚い仕事もある。そんな奴らのことを思えば、紗花ちゃんはかわいいよ」
なんだか人としての器の大きさを感じる言葉。

俊樹さんなら、強気な紗花を丸ごと包み込んでくれそう。
わがまま言っても、笑っていてくれそうだし・・・本気で怒らせたら怖そうだけど。
さすが大地。いい人を連れてきた。

結局その後も飲み続け、帰宅したのは朝だった。
二日酔いで頭を抱えた私では、どう考えてもその日の勤務は無理で、最終的に剛先生に電話をして休みのお願いした。
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