カレンダーガール
「で、誰?」
大地が顎で明日鷹先生を指す。

「森明日鷹と言います。桜子さんの勤務する病院の医師です。帰りがこんな時間になってしまい申し訳ありません」
頭を下げる明日鷹先生。
「やめてください。私は自分の意思で泊まったんです。それをどうこう言われる歳でもないでしょう?」
私は大地を睨んだ。
「無断外泊を注意されるのに、歳は関係ないだろう?結婚前の娘が、連絡もなしに帰って来かなかったら親は心配するんだよ!」
「大地は親じゃないし」
「お前、ふざけるなよ」
腹いせ混じりに言った私に、大地が詰め寄る。

ただでさえ外見が怖い上に怒りのオーラ全開の大地を目の前にして怯みそうになったけれど、ここで引けるほど私の気分も穏やかではなく、
「大地には関係ないでしょ。母さんも、何で大地を呼ぶのよっ」
つい、母さんに叫んでしまった。

「おい」
明日鷹先生が見かねて肩を叩き、声をかけた。
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