カレンダーガール
トントン。
「どうぞ」

中に入ると、デスクのパソコンに向かっている明日鷹先生。

「あの・・・」
私は恐る恐る声をかけた。

仕事をしている手を止め、真っ直ぐ私を見つめる明日鷹先生。

「昨日は、すみませんでした」
ちゃんと謝った。

「反省してる?」
「はい」

「桜子」
ソファーに移った先生が、トントンと叩いてここにおいでって言っている。

私達は医局のソファーに並んで座った。

「本当に、ごめんなさい」
「何が?」
チラッと私の方を見る明日鷹先生。

「素直になれなくて、かわいくなくて、ごめんなさい」

ハハハ。
おかしそうに笑われた。

「桜子はそのままで十分かわいいよ。何するか分からなくて、退屈しないし」
「すみません」
もう、謝る言葉しか出てこない。

「ねえ桜子。君が心配してるのも分かってるし、俺が今問題を抱えているのは事実だ。でもね、ちゃんと解決するから。もう少し待っていて欲しい。いい?」
「はい」
精一杯の笑顔で返事をした。

「よし。じゃあ、モーニング行こうか?」
え?
「それは・・・無理。二日酔いで、吐きそうなの」

「自業自得だね。でも、ちゃんと食べないとダメだ。この仕事は体力勝負なんだから」
「それでも、今は・・・」
「食事も食べれないようなら、剛に電話して休ませるよ」
「ええー」
それも無理。
後が怖い。

「ほら、行くよ」
半ば強引に、私はファミレスへ連れて行かれた。
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