カレンダーガール
その後ロッカーで会った紗花も、泣きはらした顔をしていた。

「紗花、大丈夫?」

心配で声をかけた私を、キッと睨む紗花。

「何で私に怒るのよ」
「だって、森先生が大地なんか呼ぶから・・・」
紗花が涙目。

「何かあったの?」
この様子はただ事じゃない。

「大地からの電話で、俊樹さんが出張を切り上げて帰ってきたのよ」
「怒られた?」
「まあね。朝までコンコンと説教された」

不意に紗花の目から涙がこぼれた。

「別に、怒られるのはいいのよ。自分が悪いんだから。でもね、彼無理して帰ってきたらしくて、私がいないところで電話して謝ってるの。取引先や会社の人に何度も頭を下げて。全部私のせいなのに・・・」
「紗花」

正直驚いた。
紗花にこんな顔させる人なんて、いないと思っていた。

「紗花、本当に俊樹さんが好きなんだね」
「当たり前でしょう。じゃなきゃ結婚なんてしない」
「そりゃあそうね」

いつもの強気な紗花が俊樹さんに恋をしていることにホッとして、私は勤務に向かった。
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