カレンダーガール
その日のうちに、私は明日鷹先生の知り合いの産科クリニックに入院した。

診察の結果は切迫流産。
しかし症状は軽く、数日安静にすれば無理のない範囲でなら仕事にも戻れると言われ、ホッとした。
入院している間、明日鷹先生はつきっきりで側を離れずにいてくれて、入院の準備や手続きもみんな1人でしてくれた。


3日後。
母さん、紗花、大地がそろって病室にやってきた。

明日鷹先生はみんなの前で頭を下げ
「順番が逆になって申し訳ありません。桜子と僕に子供ができました。将来のことも含めてきちんと考えていきたいと思っています」
と言ってくれた。

「それは、桜子と結婚するって意味ですか?」
紗花が突っ込む。
「その方向で準備していくつもりだよ」
なんだか歯切れの悪い明日鷹先生。
きっといろんな事情があるのだろう。

「まあ、いざとなったら私が育てるわよ。桜子はせっかく医者になたんだから、仕事を続けなさい」
そう言ってくれる母さんに、私は感謝した。

お腹をさすりなが、母さんのような強い母親になろうと心に誓った。
< 225 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop