カレンダーガール
それから数日後、私は紗花に呼び出された。
場所は病院の職員用ランチルーム。
サラダバーの野菜を頬ばりながら、紗花が切り出す。

「桜子。森先生とデートした？」
は？

「噂になっているのよ。森先生が、若い女の子と公園を歩いていたって」
はあー。

「桜子でしょう？」
「・・・」
「やっぱりね」

私はまだ何も言ってないのに。

「気をつけなさい。森先生は人気があるから」

「違うわよ。ただ買い物に行って、食事しただけ。デートなんて」
ちょっと言い訳をしてみたのに、

「買い物に行って、食事して、公園を歩いていれば、デートに見えるでしょう？」
「それは、そうだけれど・・・」
あれ、紗花怒ってる？

「桜子」
「はい」
いつもよりも厳しめの声で名前を呼ばれ、少しだけ姿勢を正す。
「桜子は森先生の事どのくらい知ってるの？」
「それは、どういう意味？」

紗花は持っていたフォークをテーブルに置き、私の方に向き直った。

< 46 / 248 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop