カレンダーガール
大学近くのホテルで行われる恒例のクリスマスパーティー。
私たちもフロントでコートを預け、会場まで歩く。

それまで着ていたコートを脱いでしまえばワンピース1枚になるわけで、当然腕も足も大きく露出することとなる。
ワンピース自体もぴっちりとしたデザインのため、かなり周囲の目を引くことになった。

ちょっと、派手だったかな?
視線を感じながら少し後悔したけれど、ここまで来たからにはどうにもならない。

「目立ってるよね?」
不安になって紗花に聞いて見たけれど、
「今更仕方ないわ。堂々としていましょう」
さすが紗花、肝が据わっている。


会場に入ると、すでに7~80人の人達がいた。
当然、私たちはみんなの注目を集める。

あ、明日鷹先生もいた。
一瞬目が合った気がしたけれど・・・

「ほー、見違えるね」
声をかけてきたのは中年の男性。
たしか・・・副学部長?

「こっちに座りなさい」
今度は、別のおじさんが肩に手を回してきた。

ん?この人、誰?
ヤバイ。このままでは連れて行かれてしまう。
そう思った時、

「和泉先生。桜子先生。ここ、席とってるよ」
剛先生が大きな声で呼んでくれた。

はぁ、よかった。
私も紗花も迷わず明日鷹先生と剛先生のテーブルに向かう。

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