カレンダーガール
「なあ、明日鷹。有香さんの心配もいいけど、桜子ちゃんとはどうなってるんだ?」
「どうって、どういう意味だよ?」

剛はグラスをテーブルに置き、ソファーに深々と座り直してニタニタしながら俺を見ている。

「お前さあ、彼女のことを研修医としてしか見てないの?」
「研修医は研修医だろう?」

はぁー。
随分と深い剛の溜息が聞こえた。

「じゃあ俺が彼女を誘ってもいいのか?」
えっ?
「ちょっと待て。お前の好みと全然違うだろう?彼女にお前は無理だ。付き合う前から結果が見えている」

俺は剛の女性遍歴を知っている。
彼女みたいな子供じゃなくて、もっと大人の器の大きい人じゃないと。

「そんなの付き合ってみないと分からないし、ダメかどうかは彼女が決めればいい」
「何で?」
「何でって、かわいいし」

嘘だろ・・・
なぜだろう、段々腹が立ってきた。

「剛、お前帰れ。なんか気分悪いわ」

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