その瞳に映すもの

 無事に志望校には合格して、何故か知ら

ないけど、入試の結果が1番だという知らせ

も同時に届いた。


 美玲さん夫婦は、その結果を見て、僕が

転校先の中学校に行ってから、殆ど勉強は

していなかったと思っていたのに、この結

果になっているということは、今までの勉

強の積み重ねがどれだけの物だったのか少

しだけ聞きたそうな顔をされたけど、僕は

そのことについて触れられたくなかったの

で、知らぬ存ぜぬの態度でいることにし

た。


 実際のところ、既に高校卒業の範囲内の

勉強は一通り目を通してはいるので、高校

に進学してからも特に家で追加の勉強をす

るつもりは無い。


 ただ、僕が良い大学(偏差値の高い大学)に

進学するなら追加での勉強は勿論必要には

なってくるのだが、現時点での僕にそのつも

りは一切無い。


 こんな感じで、高校進学も決まり、卒業

後も知ってる人達と同じところに進学する

ことになったので、卒業式では特に別れを

惜しむようなことは無かった。


 卒業式には、美玲さん夫婦も来てくれた

のだが、美玲さん夫婦を見た、如月くんや

久能くん、双子の反応がヤバすぎて、卒業

式よりも、そっちの反応の方が思い出に残

ることになった。


 美玲さん夫婦と僕の顔を見て、


 「美形には、美形が集まるのか!顔面偏

差値ヤベェ!!タイプの違う美形が3人集ま

るとこうなるのか!!年齢差が言う程無い

から、こんなにヤベェのか!!テレビのア

イドルよりもこっちの方が目の保養になる

わーー!!!」


 といったことを言って、大騒ぎしていた。


 特に、双子がワーキャーワーキャーと五

月蝿かった。双子の容姿だって良いのだか

ら、余計に周りの目が痛いような気がし

た。
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