Lemon Sour〜愛を信じたあの頃〜
「おはよ〜」

「おはよ」

「どこ行ってたの?」

「あ、コンビニ
腹減ったから

ほい」

ぽんっと投げられたものを慌ててキャッチすると、ホカホカのチキンが手の中に収まった

「お前の分」

なぜか照れながら、目を逸らすユーマ
さりげないカッコ良さと可愛さが、深く心に染みた

気持ちが溢れそう
苦しいくらいに


翌日原付で2人乗りして駅に向かうのも、随分と慣れてしまった




それからいくつも季節が過ぎ

ユーマとは途切れ途切れの時間軸で会うようになった

会う時は頻繁に、週1〜2回
会わない時は半年、1年と時間が空く時もあった

流石に1年も会わないと、気持ちも薄れてくる
新しい恋をして、付き合って
別れも経験を積んだ

でも久しぶりに会う時に、それが薄れたのではなく、奥にしまっていただけなのだと気づく


不思議にも絶妙なタイミングで現れる君は運命だろうか

私に彼氏ができる時は、自然と君との連絡が途絶えている時

そして久しぶりに飲み行こうと誘われるのは、私が別れに苦しんでいる時

なぜそんなにも、タイミングが合うのだろう

週何度も会うのが数ヶ月続いて、そして半年1年と時間が空く
久しぶりから始まってまた頻繁にに飲み行くが、半年経った頃にはご無沙汰

でもね、会う度に奥に閉めた扉は開き


恋の雪山は積もっていく


溶けることのない雪が降り続けて
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