片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。
「……で、なんか用だったんじゃないの?」
「そうそう、心茉はもう三十になるでしょ? そろそろお見合いしてほしいと思って」
「お見合い?」
まぁ、いつかはとは思っていたけどまさか今だとは思わずに驚く。だって、先週白川たちの結婚式に出席したばかりだったし。
「茉央とも話をしていたんだ。大丈夫、しっかりした人だしいい人だよ。会うだけでもいいから会ってくれないかな?」
「うん、会うよ。今まで自由にさせてくれたし、結婚は家のためにするって覚悟はしてたんだから」
「ほ、本当か? 本当にいいのか?」
「うん、もちろん。……で、お見合いはいつなの?」
お父さんはちょっと待ってと言って「来月の第一土曜日だ」と言った。まだまだ先なんだなぁと思ったけどそんな先なのになんで今お見合い話? とハテナマークを浮かべた。