マーメイド・セレナーデ

惹かれて止まない

ココアの甘い匂いが立ち込める。

甘い匂いに感化されたような甘い甘いキスに酔いしれる。



「甘え、」



しかめた顔でそう不機嫌に言われればあたしも甘い雰囲気に酔いしれることはできない。



「わ、わるかったわね」



未だ距離のない2人の隙間をあたしは翔太の肩を押すことで無理矢理につくった。

だけど腕を伸ばしたあたしは翔太の体重全てを支えることは出来ない。
プルプルと腕が震えている。



「しょ、翔太っ!重い、どいてよ」



顔を背け、腕で翔太を離し。翔太を拒絶するように。
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