マーメイド・セレナーデ
第三楽章


あたしの知らない世界。


見てきた世界は、もう過去のものでしかなくて。

彼を見るたび、遠くに感じる。



知らない世界を知りたいって思うのは当然なのに、知るな、と言うの。

いつかを待てと無茶を言うの。



くすぶる不安を押さえ込んで、今日も正面から彼を見れない。

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