御曹司様はあなたをずっと見ていました。


少ししてマスターは、大き目な白いプレートを運んできてくれた。

そこにはサンドイッチ、レタスとトマト、そしてボイルされたソーセージが添えられている。
サンドイッチの具は、卵焼きになっていて、ふわふわと湯気を上げている。

思った以上に美味しそうなプレートを見て、口角を上げた私に、マスターは微笑んだ。

「しっかり食べれば、元気になりますよ。」

マスターの言葉にハッとした。
恐らく私は、モヤモヤした気持ちで暗い表情だったのだろう。

マスターの言葉の通りに、サンドイッチを全て食べ終える頃には、なんだか気持ちがスッキリしてきた。

(…私は進一郎さんを信じる…きっと何か理由があったのよ…)



< 75 / 113 >

この作品をシェア

pagetop