年下御曹司の箱入り家政婦
ったく、もぉ〜、
全然反省の色がみえないわ...

私は額を擦りながら
頬を膨らます。


すると私たちの様子を
後ろから眺めていた斗真君が
「やっぱり俺、
もう少し頑張ってみたいっす」
決心したように口を開いた。

「えっ???」

私は額に手を置いたまま斗真君を振り返る。

「茜さん、もう一押しすれば
いけそうな気がするんです。
羽菜さんもそう思いませんか?」

まさかの茜ちゃん?
茜ちゃんには先ほど綺麗さっぱり
振られてたよね??
茜ちゃん、かなりの面食いだし
望みはゼロのような気がするのだけど...


「ん~~、ど、どうだろう...?」

はっきり無理だと言いにくい私は
もはや言葉を濁して苦笑いするしかない。

「櫻介もそう思うだろ??」

斗真君は私のはっきりしない回答に
納得いかないのか
今度は櫻ちゃんに答えを求める。

もう、ここは櫻ちゃんにきっぱりと
止めてもらうしかない。

隣の櫻ちゃんに目を向けると
櫻ちゃんはあからさまに
面倒くさそうな表情をしている。

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