年下御曹司の箱入り家政婦
「すみません...新さん...」

玉木は泣きそうな声色で謝ってきた。

「別に本気で怒っているわけじゃないから気にするな」

新は玉木の指を消毒しながら息を吐いた。

「私、頑張ろうと思えば思うほどいつも空回りして皆を困らせちゃうんです。やっぱり、この仕事向いてないのかなあ...」

いつになく弱気な玉木のショートカットの頭を優しく
ポンポンと叩いた。

「ばか。お前の取柄は馬鹿みたいに一生懸命なところだけだろうが。
他人に迷惑かけない人間なんていないんだから、玉木は玉木で少しずつ
慣れていけばいい」

「新さん...」

玉木はしゃくりを上げて泣き出した。
いつも怒られてもけろっとしてるから気づかなかったけど
きっと本当は玉木なりにずっと失敗しないように気を張っていたのだろう。

玉木が頑張り屋なのは傍から見ていても感じていたから
初めてみた弱気な一面に庇護欲を掻き立てられてしまう。
< 277 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop