ずっと、好きなんだよ。
「なお...」


「ん?どうかした?」



あ、っと思った。


意識が完全に浮遊していた。


しっかりしろ、オレ。


今は週にたった2回だけの夏音(なお)と一緒の講義だっていうのに。


寝ぼけてる場合か。



「いや、なんでもない」


「ふふ。さては見惚れてたな。真面目に勉強するカノジョの横顔...サイッコーだよね?」


「だから、ちが...」


「おい、そこ!うるさいぞ。私語は慎めっ!」


「すみません...」



オレは渋々謝り、おとなしく席に着いた。


お隣の夏音はというと、ニッシッシ...とでも擬音がつけられそうな感じでこちらを見ていた。


オレはそんな顔さえも天使のように見えるカノジョに微笑みかけることしか出来ず、講義はまるで上の空の状態で残り時間を過ごした。

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