ずっと、好きなんだよ。
8月25日が終わる瞬間、


オレはベッドに横たわりただ終わりが来るのを待っていた。


21になった。


進んでいると疑わなかった時計の針が気づけば止まっていて、


オレは真っ暗闇に放り込まれていた。


いや、オレ自身が自分を放り込んだんだ。


自分自身と向き合わず、


他人の顔色ばかり伺い、


ピエロのように仮面の下で笑って、


うまく生きているふりをしていた。


でも、それは違ったんだ。


オレはうまく生きているふりが上手かっただけだった。


オレはオレが分からなくなった。


何もかも見失った。


なぁ、オレ。


オレは何がしたい?


何のために勉強してる?


何のために生きてる?


どうして夏音の隣にいる?


どうしてバイトしてる?


なぜ分からなくなった?


なぜこうなるまで気づけなかった?



中途半端。


意気地無し。


最低最悪。



脳内も胸も覆い尽くす薄汚い言葉の数々...。


押し潰され、苦しくなって膝を抱えた。


全身に針が指すような痛みを感じる。


この痛みが消えることなどあるのだろうか。


...苦しい。


誰でもいい。


誰でもいいから、


助けてくれ。



オレは苦しく痛い夜を泳ぎ続け、日の光が差し出した頃、ようやく目蓋を閉じた。

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