カレカノごっこ。
うう…。
甘えた声に誘惑的な表情の皆藤くん。
さすがモテる男は違う。
女の子がNOとは言えない術を熟知している。
そもそもデートを断れなかった時点で、私の負けは決定している。
「…い、伊吹くん?」
私がなんとか名前を呼ぶと、皆藤くんはにっこり微笑みながら、
「なーに?」
と首を傾げた。
「なーにって、呼んでって言ったから呼んだだけだよ!」
照れ臭くなって、つい強めに言ってしまった。
やばい、こんな事で動揺しちゃったら、恋愛偏差値低いことがバレる。
それはさすがに恥ずかしすぎる。
「新奈って、可愛いね」
私のどこにそう思ったのか、はたまたカレカノ気分を味わっているだけなのか。
皆藤くんの言葉はどれも、全然信用がならなかった。