【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ
◆ ついおく




「はあ……」


もう何度、まっさらな天井に向かって溜め息を飛ばしたことだろう。


昨日小坂にフラれてから、感情が落ち込んでちっとも回復しない。


案の定、今朝も目覚ましが鳴るより1時間も早く目が覚めてしまった。


告白したことと泣かせてしまったことを謝ろうと思った。

そして吹っ切ろうと思った。

……そう、吹っ切ることなんて簡単にできると思ってた。

それなのに全然無理だ。

心の中に居座って、消えてくれない。

俺は小坂のことをなめていたのかもしれない。


今日は月曜日。

こちらの都合なんてお構いなしに時は一秒の狂いもなく進み、いつもと変わらぬ顔をした朝がやってきた。


正直、小坂に会ってどんな顔をしたらいいかわからない。


小坂の連絡先は知らない。

だから連絡のとりようもない。


ないない尽くしの八方塞がりな状況に、俺は再び溜め息をつく。
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