【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ

『うん、一緒にいるよ』

『えっと、付き合ってるとかじゃないよね?』

『まさか! 私と榊くんが付き合うなんて、そんなのないよ』


けたけたと笑う小坂の声が聞こえてくる。


『じゃあ、あのさ、もしよかったら俺と……』


そこまで聞こえて、俺は咄嗟に身を翻していた。

それ以上は聞いていけないと、本能が赤信号を灯したからだ。


……と、そんな話を聞いていた俺は、小坂がこんなところにいていいのかおろおろする。

小坂はやはり日下部みたいな面がいいキラキラした男と一緒にいるのがしっくりくる。

小坂と一緒にいるのが心地よくてつい流されてしまっていたけれど、手を伸ばしても届かない高嶺の花であるべき存在なのだと再確認した。


そもそもなんで俺なんかと一緒にいようとするのか。

興味がわいたと言っていたけれど、俺なんかのどこが小坂の好奇心レーダーに反応したのか。

そう尋ねようとして口をつぐむ。

前に“俺なんか”と言ってはいけないと小坂と約束したからだ。
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