エリート外交官は別れを選んだ私を、赤ちゃんごと溺愛で包む

「そうなのか? でも俺は君のことが知りたくて彼女に近づいただけだ。あんな性悪女に引っかかるような馬鹿じゃない」

 目を瞬かせている夏乃子の右手をとり、そっと口付ける。

「君が俺のことを好きじゃなくたって構わない。好きにさせてみせる、口説き落としてみせる。この子の父親にふさわしいって証明してみせる」

 必死の懇願が功を奏したのか、それとも断りきれなくなっただけなのか、夏乃子は俺がここにふたりへ会いにくることを許してくれた。 

 そして、やはりケイゴのゴは俺と同じ『梧』だった、嬉しくて仕方ない。

 仕事帰り、休日、会えば会うほど夏乃子への恋情は募るし、慶梧への愛おしさも増していく。
 少しでもふたりのそばにいたい。
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