原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「私達、前世の記憶が戻ってきたのは同時じゃ
ないのに、記憶を無くしていくのは同じペース
なんじゃないかしら?」

「ホナミだった記憶を無くしてしまう、のですか?」

「はっきりとは断言出来ないけれど。
 私、前世の記憶にムラが出てきているの」


 ロザリンドに向かってアビゲイルは微笑んだがそれはとても儚げに見えた。


「徐々に前世の記憶は消えて、いつかこの世界に完全に同化してしまうような気がするの。
 自分の名前や……マンガだとかイラストだとかこの世界に存在する必要がないモノを忘れてしまう。
 そのいつかが、いつ来るのかわからないけれどチカだった記憶がなくなってしまう前に、ホナミ
ちゃんに会えて本当に嬉しかった」
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