原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
私の名前はホナミ。
アビゲイルが口にした『かんじ』という言葉は
聞き覚えがあったが、それがどんなものなのか、
思い出せなかった。
無言で唇を噛んだロザリンドの様子で、アビゲイルにはその事がわかったようだ。
「記憶が戻った頃、10歳だったけれど私は漢字で自分の名前が書けたの。
忘れたらいけない気がして、暇があれば漢字で自分の名前を書いて見つからないように燃やしてを、繰り返したの」
「……」
「上質な紙と羽ペンでマンガを描いたこともあるわ。
だけど、しばらく前から漢字も書けなくなって簡単なイラストも描けなくなってしまった」
「……」
「自分の名字さえ思い出せなくなってきている
から、チカとしか書けなくて」
( そうだ……記憶が戻った2か月前には、音でだったけど私は自分とチカ先生の名字を覚えていた……)
だけど今。
それが何という名字だったのか、ロザリンドは思い出せなくなってきていた。
アビゲイルが口にした『かんじ』という言葉は
聞き覚えがあったが、それがどんなものなのか、
思い出せなかった。
無言で唇を噛んだロザリンドの様子で、アビゲイルにはその事がわかったようだ。
「記憶が戻った頃、10歳だったけれど私は漢字で自分の名前が書けたの。
忘れたらいけない気がして、暇があれば漢字で自分の名前を書いて見つからないように燃やしてを、繰り返したの」
「……」
「上質な紙と羽ペンでマンガを描いたこともあるわ。
だけど、しばらく前から漢字も書けなくなって簡単なイラストも描けなくなってしまった」
「……」
「自分の名字さえ思い出せなくなってきている
から、チカとしか書けなくて」
( そうだ……記憶が戻った2か月前には、音でだったけど私は自分とチカ先生の名字を覚えていた……)
だけど今。
それが何という名字だったのか、ロザリンドは思い出せなくなってきていた。