原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 結婚を提案された時からだろうか。
 ふたりの距離がいきなり近くなったデビュタントの夜からだろうか。
 それとも、ウェズリーのせいでロザリンドが倒れてしまった午後からだろうか……



 気を失ったロザリンドを抱き締めていたウェズリーや、ダンスにかこつけて彼女に密着したランドールに対して、大きな怒りと小さな嫉妬を感じていたが、そんな自分を認めないようにしていた。


 オスカーは義妹を女性として愛するような男じゃないはずだから。

 だが実際の自分は身近にいるロザリンドと思い出が薄れていくホナミの間で心が揺れている。
 これでは、まるでアーノルドとオスカーの間で
ふらふらしていたヒロインと同じだな、と自分に呆れた。


 自己嫌悪に沈んでいたオスカーの食事の手が止まっていたようで、義父が声をかけてきた。

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