原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 トムソンやマーシアは余計なことは言わず、必要な事だけを口にした。
 オスカーはマーシアの言葉にうなづいた。


「俺が部屋まで連れていくので、着替えをさせてやってくれ」

「だったら、俺が!」


 軽々とロザリンドを抱き上げたオスカーに、ウェズリーが言い募ったが、オスカーも使用人達も冷たい視線を彼に向けた。


「君はここで、お待ち願おうか。
 義父上が戻られるまで、皆が君をもてなすだろう。
 ゆっくりしていくといい」

 ◇◇◇


 大好きなオスカーに憧れのお姫様だっこをされて、ロザリンドのテンションは爆上がりだ。
 にやけてしまう顔を隠す為に、彼の胸に顔を押し当てた。
 そしてオスカーのコロンの香りを胸一杯に吸い込んだ。


 役得を逃すつもりは、さらさら無い。
 ロザリンドの年齢設定は入学前の15歳だが、ホナミは26歳。
 オスカーは17歳。
 彼のたくましい胸に頬擦りしてそっと唇を当てると、彼がビクッと震えた気がした。

 オスカーの、年若い男性の。
 少年の清潔な青さがたまらなかった。
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