原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「オブライエン様、貴女の元婚約者はお別れになった後でも、彼女にお優しいわね?」


 残されたロザリンドに皮肉気に声をかけてきたのは、濃紺のリボンの色からウェズリー達と同学年の女生徒だと知れた。
 お茶会でも会ったことのない2学年上の先輩だ。
 それでロザリンドも気付いたのだった。


 このひと達は私を庇って、ミシェルを貶めたのではない。
 よく知るわけでもない私の事も、ミシェルと同じ様に目障りなのだ……


 ◇◇◇


 もうお昼休みも残りわずかとなった頃、ロザリンドの教室にウェズリーが訪ねてきた。


「ミシェルが荒れてるのは君のせいなんかじゃないから、気にしなくていいから」

 食堂での出来事のフォローに来たのだろう。
 別れた恋人が行った、元婚約者への無作法のフォローなんて……
 本当に気の良い男なんだから、とロザリンドは改めて思った。


「ほら、例の転生やら……夏休みに入る前に俺以外の連中にも話してさ。
 これからは王太子殿下と付き合うのだから、と男友達を集めて一方的にお別れ宣言してね。
 何を言い出すんだ、とさすがに皆に引かれてしまって」


 ミシェルの周囲に居て、令嬢達からの圧から守ってくれていたイケメン達がいなくなって、彼女は今ぼっちになっているらしい。
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