原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「ここはマンガ、と呼ばれる世界なの。
 貴方達はそのマンガの登場人物で、ヒロインの逆ハーレム要員っていう役割なの。
 私はそのヒロインに転生したのよ。
 ストーリー上、これから王太子と知り合って
恋人になるから、もう貴方達とは過ごせないの。
 ……ごめんね?」


「……あぁ、そうなんだ。
 色々と大変だと思うけど、がんばってね。
 ミシェル、これからも君の幸せを祈っているよ」


 皆を代表するように立ち上がって、あっさりそう言ったのは魔法省長官の養子のグレンジャーだった。
 彼の孤児院育ちの寂しさや膨大な魔力を持つゆえの疎外感を癒したのは、ヒロインである自分だった。


 グレンジャーはそれだけ言うと、そそくさと教室から出て行った。
 その後次々と、それぞれお別れや激励の言葉を口にして皆帰っていき……
 ミシェルだけが残された。

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