これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
「急に呼び出してごめんね。ちょっとどうしても聞いてもらいたいことがあるの」
弘樹は、テーブルの上に置かれたグラスへ手を伸ばした。水を一口飲むと、弘樹の喉仏が上下に動く。
こういうの、リアルじゃないと見られないよな。BL本の描写には描かれていても、実際に見るのとではまたイメージが変わる。
「ああ、別に構わないよ。あの話、徳井さんにしたのか?」
「それどころじゃないよ。これ見て」
「またしょうもないもの撮影したのか? ……って、はあ? これ何だよ!?」
私は先ほどカメラで撮影した画像を弘樹に見せた。弘樹は私のスマホを受け取ると、画像を食い入るように見つめている。
「私もびっくりだよ。これ、まだお互い服を着てるから許せるってレベルじゃないよね」
弘樹は黙ってスマホの画面を眺めている。画像を引き伸ばして、色々チェックしている。
偶然写り込んでいた写真のお互いの指には、指輪がつけられたままだ。
私、本当にこのまま徹也くんと結婚してもいいのかな……
弘樹からスマホを返してもらうと、テーブルの左側にそれを置いた。
不安でマイナス思考に陥っていたそのとき、つい先ほど机の上に置いたスマホがブルブルと震え始めた。ずっと音を切っているので、バイブ機能が働いたようだ。
弘樹は、テーブルの上に置かれたグラスへ手を伸ばした。水を一口飲むと、弘樹の喉仏が上下に動く。
こういうの、リアルじゃないと見られないよな。BL本の描写には描かれていても、実際に見るのとではまたイメージが変わる。
「ああ、別に構わないよ。あの話、徳井さんにしたのか?」
「それどころじゃないよ。これ見て」
「またしょうもないもの撮影したのか? ……って、はあ? これ何だよ!?」
私は先ほどカメラで撮影した画像を弘樹に見せた。弘樹は私のスマホを受け取ると、画像を食い入るように見つめている。
「私もびっくりだよ。これ、まだお互い服を着てるから許せるってレベルじゃないよね」
弘樹は黙ってスマホの画面を眺めている。画像を引き伸ばして、色々チェックしている。
偶然写り込んでいた写真のお互いの指には、指輪がつけられたままだ。
私、本当にこのまま徹也くんと結婚してもいいのかな……
弘樹からスマホを返してもらうと、テーブルの左側にそれを置いた。
不安でマイナス思考に陥っていたそのとき、つい先ほど机の上に置いたスマホがブルブルと震え始めた。ずっと音を切っているので、バイブ機能が働いたようだ。