嘘も孤独も全部まとめて
無言で歩いていると、三階建てのマンションの前で男が止まる。

エントランスにオートロックはついていなくて。

ポストをガサガサ触っているのを後ろから覗いた。


ふーん…、305か…。


他のポストを見ると、各階に四部屋ずつしかないらしい。


何で『4』がないんだろ。やっぱ『死』って連想するからかな。


毎日、生きるか死ぬかで暮らしていたからか

『死』というものがどうやってやってくるのか、何となく分かっているつもりだった。
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