ラブアド〜シオリの物語〜

第一の男

俺がシオリと出会った頃、シオリはある男と付き合っていた……。



アタシがこの頃付き合っていた男は、いろんな意味で凄い人だった……。


初めは彼と付き合うつもりはなかった……。

彼は元カレの甥っ子で、元カレの紹介で知り合った。

あるスナックで働いていた時、元カレとは初め客として知り合った……。

元カレは、三十代のチビのオッサンだった……。

アタシはまだ十代……離れ過ぎた歳の差が少し気になったが、それなりに愛し合った……。

だけど、結局ダメになった……。

理由は……そんな事はどうでもいいや。

それはアタシだけが解っていればいい事……。


それから間もなくして今の彼氏 ショウちゃんと付き合い始めた。

彼は優しくて、強くて、アタシを守ってくれた……。

アタシ達は一時は結婚まで考えた仲だったよね……。子供の話とかもしたしさ……それなのに……。

やっぱり付き合ってるうちに問題が出てきたよね……。

アタシ達はよく喧嘩したね……。


今だから解る……彼とアタシの愛の深さが違っていたんだよね……。

あの頃、アタシは愛されるよりも愛されたかったんだよね……。

ショウちゃんはアタシを本気で愛してくれた……。

でも、アタシは……。

いつからか、アタシはショウちゃんの気持ちが重くなっていた……。

気持ちのズレから、アタシ達は会えばいつも喧嘩してたっけ……。

アタシはあなたの気持ちが重くなって、まともに話せない時もあったよね……。

そんなアタシを見て、あなたはますます怒り出して、話の途中で帰ろうとしたアタシを強引に車に連れ戻した事もあったよね……。

あの時は髪を掴まれて、道路で引きずられて、膝を擦りむいたよね……。

あれからあなたの事が恐くなっちゃったんだよ……。

あなたはわざとアタシを挑発したり、からかったりして、アタシを悩ませてきたよね……。

あの頃からアタシ達の先は見えてたのかな……。

別れては戻っての繰り返しをして、アタシ達は完全に終わったね……。

そして、アタシ達は友達になった………。

少なくても、アタシはそう思ってたんだよ……。

【続く】