キスのその後に
真由にも圭介にも、それぞれ恋人がいる。

しかも圭介は来週、挙式の予定だ。真由も3ヶ月後の結婚式に向けて準備をしている。

こうやって会えるのは、きっと今日が最後。

「真由…我慢できないんだけど。」
圭介が目を潤ませながら見下ろしてくる。

「うん…。」
真由は足を開いた。

もう少し早く出会えていたら…。
そんなことを何度も言い合った。

でも2人ともわかっている。
もし普通に出会っていたら、こんな甘い関係にはならなかっただろうということを。

終わりがくることを知っているから、安心して楽しむことができる。

「…キスして。」
真由は圭介の首に腕を回した。

荒い息使いのまま、圭介は唇を押し当ててきた。

今日で最後だから。
明日からはちゃんとするから。

もう少しだけ、この甘ったるい時間を楽しみたいの。

絶頂を超えても、2人はキスをやめなかった。
< 6 / 34 >

この作品をシェア

pagetop