円満夫婦ではなかったので

言い争いをしてから瑞記は態度を変えた。

あからさまに園香を避けて、ほとんど家に寄りつかなくなったのだ。

「なんて幼稚なの?」

ひとりきりの部屋で、園香は遠慮なく不満を零す。
返事はもちろんないが多少はストレス発散になるので、最近はよくひとりでブツブツ言うようになった。

不都合な話し合いから逃げる彼の態度には失望しか感じない。

しかし今となっては改善しようとする気持ちが湧いて来ない。

(瑞記が好きにするなら、私も好きにするわ)

園香は再就職の準備を進める一方で、身の回りの整理に精を出している。

細かいところまで確認したら、この一年の間に起きた出来事の記録のようなものが見つかるかもしれないと思ったからだ。

出来れば日記のようなものがあればいいが、あいにく園香にはその習慣がない。何度かチャンレンジしたことはあるが、初めてみてもすぐに三日坊主になってしまう。

となると代わりとしてメッセージや手紙のやり取り、またはスケジュール帳などが考えられるが残念ながらどれも見当たらなかった。

(めんどくさがりなところを直しておけばよかった)

今日も家の中を物色してみたが、結局何も新し発見はなく、園香はがっかりと肩を落とした。

(それにしても)

扉を開けたままにしている自室のクローゼットの方を見て、園香は眉を顰めた。中身は綺麗に収納されていて一見問題ないのだけれど……着る服が圧倒的に足りていない。
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