円満夫婦ではなかったので
離婚しない宣言の後、瑞記は帰宅しなくなった。
いつものことなので驚きはしないが、ますます結婚生活を続ける意味が分からなくなっている。
園香は瑞記に呆れながらも、離婚について調べ始めた。
“有責者側から申し出た離婚は拒否出来ない”は、確かにその通りのようだが、“有責側”と認定されるには条件がある。
ざっと調べた限りでは、不倫や長期に渡り帰宅しないなど、明らかな落ち度がないと離婚までは認められないようだ。
(あとは婚姻を継続し難い重大な事由ってあるけど、漠然とし過ぎていてよくわからない。詳しい人に間に入って貰うしかないのかな)
いくつか法律事務所のホームページを見てみたが、正直言って敷居が高い。
なるべくそこまで大事にせずに離婚したいのだけれど。
(理想の円満離婚は、今のところ難しそう)
円満夫婦とは程遠いふたりが離婚のときだけ揉めず穏やかに、なんて無理な話なのかもしれない。
園香ははあと溜息を吐きながら、どうしたものかと頭を悩ませる。
瑞記は不在がちだが、時々は帰って来るので長期の別居とは言えなそうだ。不倫でもしていたら離婚しやすくなりそうだが、瑞記のその兆候は見られない。
(名木沢希咲さんとは同僚以上の関係だと思うけど、不倫ではなさそうだし)
彼女は以前不倫をしてトラブルを起こしている。最終的には夫に庇って貰って解決したようだが、その分夫の目は厳しくなっているだろう。